
「若い頃、この小さなバッグ一つでよく街を歩いたものです。最近はスマートフォンと財布だけで十分なミニマリストなスタイルに落ち着いてしまって、クローゼットで眠らせておくより、必要としている誰かに使ってもらいたいと思いまして」。そう微笑みながら、お客様が大事そうに差し出してくださったのは、ルイ・ヴィトンの定番モデル『ポシェット・マルリーバンドリエール(M51828)』でした。90年代のファッションを象徴するようなコンパクトなシルエットからは、当時の賑やかな街の風景と、このバッグと共に過ごした楽しい時間が今も鮮明に感じられるようでした。お預かりしたこのマルリーバンドリエールは、ルイ・ヴィトンが誇るモノグラム・キャンバスの耐久性をそのままに、必要最低限の荷物をスタイリッシュに持ち運べるポシェットとして、今なおヴィンテージ市場で非常に高い人気を誇る逸品です。特にこのモデルは、身体にフィットする斜め掛けのデザインが特徴で、現代のトレンドである「小さめバッグ」の先駆けとも言える存在です。年代を重ねたからこそ生まれるヌメ革の飴色への変化は、新品にはないこのバッグだけの「味」であり、ファッションのスパイスとして唯一無二の価値を持っています。鑑定において私が最も細かく拝見したのは、このモデル特有の弱点でもある「ヌメ革のパイピング部分」と「内部のコーティング状態」です。マルリーバンドリエールは、バッグの縁(パイピング)が擦れやすく、使用感が出やすい個所です。また、ヴィンテージ品では内部のコーティングが経年劣化で剥がれたり、ベタつきが生じたりすることがよくあります。しかし、今回のお品物は長年の保管環境が非常に適切だったようで、パイピングに目立つ割れもなく、内部の状態も極めて良好でした。この「ヴィンテージとしての美しさを保った状態」を高く評価し、お客様も驚かれるほどの最高額を提示させていただきました。こうした年代物のブランドバッグをお持ちの方に、専門家としていつもお伝えしている注意点が「湿気との戦い」です。特にヴィンテージのルイ・ヴィトンは、内側にコーティング加工が施されているものが多く、日本の高温多湿な環境では、使わずにしまっておくだけでコーティングが溶け出し、ベタつきが発生してしまうことがあります。保管する際は、乾燥剤と一緒に通気性の良い袋に入れ、たまに風を通してあげることが、その価値を末長く維持する一番の秘訣です。もし少しでもベタつきが出てしまっても、決して無理に剥がそうとせず、その状態のままお持ちいただくのが、査定額を守るための最善策となります。提示した金額をお伝えすると、「自分の若かった頃の思い出が、また誰かのファッションの一部になるなんて、なんだか嬉しいですね」と、お客様はとても晴れやかな表情でおっしゃってくださいました。私たちが心がけているのは、単に中古品を売買するだけでなく、持ち主様が大切にしてこられた品物に込められた物語を、次の方へと繋ぐ「橋渡し」です。難波エリアでブランド品の売却をご検討中の方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度そのお品物を拝見させてください。その品物が持つ本来の価値を、専門知識を持って誠実に鑑定させていただきます。





お気軽にお問い合わせください。0120-763-877営業時間 10:30~22:30
お問い合わせ









