
「クローゼットを整理していたら、昔よく使っていたこの財布が出てきて。今のキャッシュレスな生活には少し大きすぎるけれど、思い出の品なので捨てるのは忍びないと思って」。そんな風にお客様が持ち込まれたのは、ルイ・ヴィトンの定番であるダミエ・ラインの『ポルト トレゾール エテュイパピエ(N61202)』でした。長年大切に保管されていたことが伝わる、ヴィンテージながらも気品を失わない佇まいに、思わず手が止まりました。多くの思い出と共に過ごしたであろうこの財布を、私たちは次に大切にしてくれる方へ繋ぐ橋渡しとして、丁寧にお預かりすることにいたしました。このモデルは、ルイ・ヴィトンの財布の中でも非常に高い収納力と実用性を兼ね備えた三つ折りの長財布です。特筆すべきは、取り外し可能なクリアカードケース(パスケース)が付属している点です。カードを多用する現代においても、このパスケースがあるだけで機能性が格段に上がり、当時の職人による「実用性を最優先した」設計思想を感じさせます。ダミエ・キャンバスの落ち着いた色合いは、時代や性別を選ばず、今なお中古市場で根強い人気を誇るロングセラーです。査定において私が特に注意深く確認したのは、三つ折り特有の「折り曲げ部分」のコンディションと、付属のパスケースが揃っているかどうかという点です。長年折りたたまれてきた部分は、どうしても革のひび割れや糸のほつれが生じやすい弱点があります。しかし、今回のお品物は丁寧に使われていたようで、折り目への負担が少なく、コバ(革の断面)の剥がれも最小限でした。また、このモデルの査定価格を大きく左右する「パスケースの欠品」もなく、完品に近い状態であったことを高く評価いたしました。これらを踏まえ、ヴィトンの資産価値と希少性を考慮し、当時の想いも尊重して納得の最高額を提示いたしました。こうした名作財布をお持ちの方へ、私たちが鑑定の現場でよくお伝えしている注意点があります。それは「湿気によるカビとべたつき」です。日本の高温多湿な気候では、クローゼットの奥にしまい込んでいただけで、内側の素材が劣化してべたついてしまうことがよくあります。数ヶ月に一度は風通しの良い日陰で休ませること、そして財布の中にカードを詰め込みすぎて、型崩れや折り目の負荷をかけないことが、長く美しさを保つ秘訣です。もし少しでも「べたつき」を感じたら、無理に拭き取ろうとせず、そのままの状態で相談していただくのが、結果として最も高い査定額に繋がります。提示した金額をお伝えすると、お客様は「ただ処分するよりも、次に必要としてくれる人の手に渡るなら本当に嬉しいです」と安心した表情を浮かべてくださいました。私たちは、単に古い製品を売買するだけでなく、その品物が持ち主様と歩んできた物語を次の方へ繋ぐ役割を担っています。もし皆様のご自宅で、使われずに眠っているブランドアイテムがございましたら、ぜひ一度拝見させてください。その品物が持つ真の価値を専門知識を持って精一杯評価し、納得の結果をお約束いたします。





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