
「子育てが一段落して、当時はマザーズバッグ代わりに重宝していたこの鞄も、最近は出番がなくなってしまって。でも、ルイ・ヴィトンのバッグは丈夫だから、捨てるなんて考えられなくて相談に来ました」。そう仰って、大切そうに抱えてお持ち込みいただいたのは、モノグラム・ラインの名作トート『カバ・ピアノ』でした。2000年代に絶大な人気を博したこのモデルは、今、ヴィンテージ・ファッションの再評価とともに、再び中古市場で熱い視線を浴びているアイテムの一つです。拝見した『カバ・ピアノ』は、A4サイズがちょうど収まる絶妙なサイズ感と、安定感のある底面が特徴のショルダーバッグです。カバ・メゾよりも一回り小さく、日常使いに最も適した設計といえます。天ファスナーが付いているため防犯性も高く、内側にはモバイルポケットも備わっており、現代のライフスタイルにも驚くほど馴染みます。モノグラム・キャンバスの耐久性と、使い込むほどに表情を変えるヌメ革のコンビネーションは、まさにルイ・ヴィトンが誇る機能美の結晶です。査定において私が最も重点を置いたのは、底部に広がるヌメ革の「シミ」と「四隅の擦れ」の状態です。カバ・ピアノは底面が全面ヌメ革で覆われているため、雨の日の使用や地面への直置きによって、黒ずみや水シミが発生しやすい構造になっています。しかし、今回のお品物はオーナー様が大切に扱われていたことが一目でわかるほど、ヌメ革が美しい飴色に変化していました。大きなシミやひび割れもなく、内側のライニング(裏地)にもベタつきや剥がれが見られなかった点は、鑑定士として非常に高い評価を下すポイントとなりました。ヴィンテージとしての希少コンディションを鑑み、相場を上回る最高額をご提示いたしました。こうしたヌメ革を多用したバッグをお持ちの方に、私たちがよくお伝えしている注意点が「ハンドクリームや日焼け止めの付着」です。持ち手のヌメ革は直接肌に触れるため、手の油分や化粧品が染み込むと、そこから部分的に変色が始まり、革の劣化を早めてしまいます。使用後は軽く乾拭きをし、保管時は直射日光を避け、不織布などの通気性の良い袋に入れることが、将来的な価値を落とさないための最大の防衛策です。もしシミができてしまっても、市販のクリーナーで無理に落とそうとせず、そのままの状態でプロに見せるのが最善の選択といえます。「思い出の詰まったバッグを、こんなに丁寧に評価してもらえるなんて思わなかったわ」と、提示額に笑顔で応じてくださったお客様の表情がとても印象的でした。私たちは、単に古いバッグを買い取るのではなく、そのバッグが歩んできたストーリーを尊重し、次の世代へと繋ぐお手伝いをしたいと考えています。難波で長年ブランド品と向き合ってきた確かな審美眼で、皆様の宝物を誠実に鑑定いたします。クローゼットに眠っているルイ・ヴィトンのバッグがございましたら、ぜひ一度その価値を確かめにいらしてください。





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