
「ずっと憧れて手に入れたバッグなのですが、最近は子供も小さく、汚してしまうのが怖くてなかなか出番がなくて。大切に仕舞い込んでおくよりも、価値が上がっている今、次に大切にしてくれる方へバトンタッチしたいと思ったんです」。上品な佇まいのお客様がそう仰って、静かにテーブルへ置かれたのは、時代を超えて女性の憧れであり続けるシャネルの金字塔『マトラッセ25』でした。箱を開けた瞬間に漂う上質なレザーの香りと、漆黒のラムスキンが放つ奥深い光沢に、鑑定士としての血が騒いだのを今でも覚えています。今回お預かりしたのは、シャネルの象徴とも言えるダブルフラップ・ダブルチェーン仕様のタイムレスクラシックです。サイズ25は、長財布やスマートフォンが過不足なく収まる、最も黄金比に近いとされるサイズ感。ダイヤ形の格子状にステッチを施した「キルティング」は、単なるデザインではなく革の型崩れを防ぐ機能美も兼ね備えています。特にブラックのラムスキンにゴールド金具の組み合わせは、近年の世界的なヴィンテージブームとシャネル自身の相次ぐ定価改定により、驚くほどの資産価値を維持し続けているモデルです。鑑定において私が最も神経を注いだのは、キルティングの「ふっくら感」と、シリアルシールの整合性です。マトラッセは使用頻度が高いと、このダイヤ状の膨らみが潰れて平坦になってしまいますが、今回のお品物は驚くほど立体感が維持されていました。また、チェーンを通すホールの周囲にある革の擦れ、そして四隅のパイピングの露出がないかを入念に確認。さらに、内部のボルドーカラーの裏地に爪傷がほとんどなかったことも、前オーナー様がどれほどこのバッグを慈しんできたかを物語っていました。これらすべてのプラス要素を積み上げ、現在の市場相場における最高峰の金額をご提示いたしました。こうしたシャネルのラムスキン製品を愛用されている皆様に、プロとして必ずお伝えしている注意点が「角質層のような繊細な扱い」です。ラムスキンは赤ちゃんの肌のように柔らかく、一度深い傷が入ると修復が非常に困難です。また、保管時にチェーンをバッグの中に直接入れてしまうと、重みで内側の革に「押し跡」がついてしまい、査定額を下げる大きな要因になります。保管の際は、チェーンを薄紙などで包むか、バッグの外側に出しておくのが理想的です。また、カビを防ぐために湿気取りを入れがちですが、乾燥させすぎると革の油分が抜けてひび割れの原因になるため、通気性の良い場所で休ませることが価値を守る近道です。提示した金額に、お客様は「そんなに高く評価していただけるなんて!思い切って相談して本当に良かったです」と、満面の笑みで仰ってくださいました。私たちは、シャネルというブランドが持つ歴史の重みと、お客様がそのバッグに込めた情熱の両方を査定額に反映させたいと考えています。難波の喧騒の中でも、一歩店内に足を踏み入れれば、そこは大切な品物とじっくり向き合える特別な空間です。もし、お使いになられていないマトラッセや、譲り受けたシャネルのコレクションがございましたら、ぜひ一度私に拝見させてください。その価値を最大限に引き出す、誠実な鑑定をお約束いたします。





お気軽にお問い合わせください。0120-763-877営業時間 10:30~22:30
お問い合わせ









